ジャンル:エッセイ・小説
とどのつまり人は食う
「食」にまつわるエッセイ42篇を収録。母のチャオズ、コーリャンのおかゆ、柿売りの熟れた柿、幼少期に食べた中国の味から、母の作った鮭のお弁当、父のためのうなぎのかば焼き、学生時代のコッペパン、自慢のレバーペーストやサンゲタンまで、佐野洋子を作ってきた数々の食べ物と、それに繋がる人々の話。
<収録>
一
空から降るもの(抄)/〔私たちの外界の〕/〔父は市街電車に〕/〔戦争が終わってから〕(抄)/訓辞を食べた日々/天井からぶら下がっていたそば/変な家だなあ/薬はおいしい/釘/包丁/電気釜と洗濯機/食べて下さい 残して下さい/〔六十九歳の友達の〕
二
秀才/友達/コッペパン/貧乏人の品性/列車の個室/コーヒー/人生ってこんなもんだよね/異国のかば焼き
三
トントントン/何ごちそうになったの?/ううんおれメロン食いたい/引き出しとペテン帽/あんずいちじくバナナの木/ヤンソンの誘惑/おいしいよう/十文字の重箱/れんげ畑で/内地に帰ったら白いごはんにシャケを食べたい
四
なんだか料理を逆に作るのね/金で買う/謎の人物「ハヤシさん」/それは、それはね/何も知らなかった/鮨/とどのつまり人は食う/〔母さんの手は〕/二〇〇三年秋 1/二〇〇三年冬/〔うちの煮物の〕
著 佐野洋子
出版社 河出書房新社
刊行 2022年